「何か新しいことを始めたいけれど、続けられるか自信がない」
そんなふうに感じたことはありませんか?
50代になると、子育てが一段落したり、仕事の役割が変わったりして、ふと「私、これから何を楽しみに過ごそう」と立ち止まる瞬間があるものです。
何をしても楽しくない、と感じてしまう時期があるのも、決して珍しいことではないと思います。
そんなとき、意外とおすすめなのが「ストックフード作り」です。
心理学の世界には「行動活性化」という考え方があります。
気分が沈んでいるときほど、小さな行動を積み重ねることで、少しずつ気持ちが上向いていく——そんな仕組みです。ストックフード作りは、まさにこの「小さな行動」にぴったりの営みといえるでしょう。
「洗う」「切る」「漬ける」という手を動かす工程は、頭で考えすぎてしまう時間から一旦離れ、目の前の作業に意識を向けるきっかけにもなります。そして瓶の中で少しずつ味が育っていく様子を眺めるうちに、「自分にもできた」という小さな達成感「自己効力感」が積み重なっていくといわれています。
梅干しや果実酒、季節のジャムなど、旬の食材を仕込んで保存する暮らしの知恵は、実は自己効力感——「自分にもできた」「誰かに振る舞える」という感覚——を静かに育ててくれます。
特別な道具も、資格も必要ありません。台所にある鍋や瓶があれば、今日からでも始められます。
とはいえ、「1年間ちゃんと続けられるかな」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、月別の仕込みカレンダーをご用意しました。気になる月だけ、気になる食材だけ、つまみ食いするように試してみてくださいね。

月別|仕込みカレンダー一覧
| 時期 | 仕込めるもの |
| 1月 | 味噌の寒仕込み、干し野菜(大根・切り干し大根) |
| 2月 | 味噌の寒仕込み(続き)、甘酒 |
| 3月 | 新生姜の甘酢漬け、いちごジャム |
| 4月 | 山菜の下処理・佃煮、新玉ねぎの酢漬け |
| 5月 | 梅仕事(梅シロップ・小梅の梅干し)、らっきょう漬け |
| 6月 | 梅仕事(梅干し・梅酒本番)、実山椒の佃煮 |
| 7月 | 梅干しの土用干し、夏野菜のピクルス、しそジュース |
| 8月 | 夏野菜の保存食(トマトソースの冷凍・しば漬け)、桃のコンポート |
| 9月 | ぶどう酒(ぶどうの旬にあわせて)、さつまいもの甘露煮 |
| 10月 | 栗の渋皮煮、柿の甘露煮・干し柿 |
| 11月 | ゆず胡椒、りんごジャム、白菜漬けの下準備 |
| 12月 | ゆず茶、大根の甘酢漬け、黒豆(お節の仕込み) |
⚠️ お住まいの地域や気候によって、旬の時期は前後することがあります。表はあくまで目安として、店頭に並ぶ食材を見ながら調整してみてくださいね。
季節のものは、旬のタイミングで手に入れると価格も手頃になりやすいというメリットもあります。「安くておいしいうちに、まとめて仕込んでおく」という感覚で、気負わず取り入れてみましょう。
今の季節(8月〜9月)に仕込めるもの
暦の上ではまだ夏の名残がありつつも、少しずつ秋の気配も感じられるこの時期。今から始められる仕込みをご紹介します。
✅ 夏野菜のストック
トマトを湯むきして冷凍しておけば、煮込み料理にそのまま使えて便利です。きゅうりや茄子のしば漬けも、この時期ならではのさっぱりとした常備菜になります。
✅ 果実のコンポート
桃や梨など、傷みやすい果物はコンポートにしておくと日持ちが良くなります。冷凍保存の目安は1ヶ月程度と少し短めですが、「まずは気軽に試してみたい」という方にはちょうどいい入り口かもしれません。
✅ 果実酒の仕込み
9月に入ると出回り始めるぶどうは、果実酒作りにぴったりの季節食材です。仕込んでおけば、数ヶ月後の楽しみとしてじっくり待つことができます。

おすすめの書籍
「何から作ればいいのかわからない」
「レシピ通りにできるか不安」
そんな方には、まず一冊、写真付きのレシピ本を手元に置いておくことをおすすめします。
工程が写真で丁寧に紹介されていると、迷ったときにすぐ確認できて安心ですし、ページをめくるだけで「これも作ってみたいな」という新しい発見にも出会えます。今回仕込みカレンダーでご紹介しきれなかった保存食のレシピも、きっと見つかるはずです。
季節をたのしむ ジャムと果実酒
旬の果物を使ったジャムや果実酒のレシピが、季節ごとに丁寧に紹介されている一冊です。梅酒やぶどう酒など、カレンダーでもご紹介した果実酒作りの工程を写真付きで確認できるので、初めての方でも安心して取り組めます。
やさしい保存食と自家製レシピ 一生つかえる1年中の手しごとのすべて(実用No.1シリーズ)
塩漬け・干すといった保存食の基本から、梅干しやキムチなど「挑戦したいけれど難しそう」と感じるレシピまで、写真解説つきで丁寧に紹介されている一冊です。漬物や季節の保存食など、カレンダーに登場する幅広いレシピをこの一冊でカバーできるのも心強いところです。
百川味噌 味噌手作りセット 初心者用 –1.6kg用 樽付き(大豆0.43kg,米麹0.47kg,塩200g)
味噌の仕込みは、大豆を潰す大鍋や専用の樽が必要そうで、ハードルが高く感じられるかもしれません。こちらのセットは、大豆・米麹・塩に加えて樽まで揃った1.6kgサイズなので、手持ちの調理器具で無理なく仕込みを始められます。まずは小さめのサイズで、寒仕込みの味噌作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
まとめ:気になる月から、ひとつだけ始めてみませんか
1年分のカレンダーを見ると、「これを全部やらなきゃ」と気負ってしまうかもしれません。
でも、そんなふうに完璧を目指す必要はまったくないのです。
まずは気になる月、気になる食材をひとつだけ選んで、試しに仕込んでみてください。できあがったら、写真を撮っておく、瓶にラベルと日付を書いておく——そんな小さな記録が、「私、ちゃんとできた」という実感につながっていきます。
仕込みの時間は、意外とゆったりとした自分だけの時間でもあります。もしその時間をもっと心地よく過ごしたいなら、以前ご紹介したスマートスピーカーの記事もあわせてご覧ください。お気に入りの音楽を流しながらの仕込み時間は、また格別ですよ。
今日、あなたが選ぶ「ひとつ」が、これからの暮らしにやさしい彩りを添えてくれますように。



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